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2017.07.24

家って何だろう?自宅で逝ってしまったあの人の思い出(介護ブログ)

 寒い季節にあの人は逝ってしまった。隙間風の入る木造平屋の大きな屋敷のせんべいふとんの中、朝迎えに行ったデイサービスの職員に冷たくなった状態で、あの人は人生を終えた。
 同じ敷地には息子さんが建てた今風の立派な二階建ての洋風の家があった。息子さん夫婦は一緒に暮らすように何度話しても、あの人は頑固に、一人で傾き始めた木造平屋に一人で寝起きしていた。ご飯は息子さんのお嫁さんが毎食作って運んでいた。あの人は「なにも府中はないよ。」「寒い?昔からだ。」と笑っていた。
 長く、寒く、暗い 夜に、あの人は何を思っていたのだろうか。

 こんな話をよく話していた。「畑仕事が忙しくて毎日毎日働いていた。子供たちが小さいときのお正月とお盆の楽しみは、妻と二人自転車に子供三人を乗せて坂を下って映画を見ることだった。自分の自転車には前と後ろに男の子供を乗せ、妻の自転車には娘を乗せて、街の映画館までペダルをこがなくても下って行けた。楽しかった。帰りはみんなで自転車を降りて、歩いて帰ってきた。子供達も文句も言わずに暗くなった坂道を歌を歌いながら、家に帰ってきた。本当に楽しかった。」と。

 楽しい思い出がたくさん使った家であの人は逝った。一人で。

 


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